包丁を研ぐ
母が使っている包丁が切れない
簡易式の包丁研ぎの道具で
たまにはゴリゴリしているらしいけれど
今日は休日だったので
自宅から砥石を持ってきて包丁を丁寧に研いで
トマトがしゅぱーっと気持ち良く切れるようになり
母も喜んでくれた
pakawaの家では父が包丁を当たり前のように研いだ
砥石を使い分けて
何本かある家の包丁を研いでいく様子を観察するのは
少しも飽きることなく
子供心に尊敬と憧れを感じたものだった
偶然のことだったが
付き合ってきた男性たちも皆、
当たり前のように包丁を上手に研ぐ人たちだった
頼みもしなくても、包丁はいつだって切れる状態だった
そんなすり込みのせいか
いつのまにか包丁は男が研ぐもの
男は皆、包丁が研げるものと勘違いしていた
そして、もう一つ
理数系が全くダメなpakawa
電気系統のことなど以ての外だったが
父や付き合ってきた男性たちは
なぜか皆、電気系統に詳しい人だったので
こちらに関しても困ることは何一つなかった
39歳の時に結婚して7年間暮らした元夫は例外だった
根っからの文系の人で編集の仕事をしていた
一緒に暮らすようになって
彼がpakawa同様に電気系統に弱い人間だとわかった時は
「そっかぁ、そうだよねぇ」と
それほど驚きはしなかったのだけれど
包丁を研いだことがないと知った時にはカルチャーショックを覚えた
今なら何でもないことだ
包丁を研ぐ必要がない人
包丁を研ぐ機会もない人
包丁に全く興味がない人
たいして珍しいことではない
いや、よくあることだ
でも、結婚当初のpakawaは
「我が家の包丁はどうするの?誰が研ぐの?」と
それまで疑問にすら思わなかったことを
初めて認識した瞬間
どこかで、この結婚は続かないかもな、、、なんて
ちょっと思ってしまったのかも
惜しいことをしたものだ
元夫ほどpakawaのことを大好きで居てくれた人は
後にも先にもいないのに
包丁なんて自分で研げばいいだけのことだったね
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2017.03.27 21:01